道徳教育

 先日、息子の本棚から、『こども菜根潭』という本を見つけました。おばあちゃんがこういう本が好きで、時々買ってくれているのです(^-^) 借りて読んでみると、400年前に中国で書かれた、生き方の本のようです。噂は信じすぎない、とか、じっくり力を溜めろ、とか、周囲に振り回されず悪影響も与えない生き方を説いているようです。愛とはまた違う観点で心を強くする考え方です(^-^)

 教育が、日本が目指す社会を構成する人材を作るものだとしたら、道徳は算数とか国語より基本だし、重大です。

 

 息子は毎年この時期から3学期にかけていじめられます。いわゆる、いじめられっ子です。学校で、道徳教育が始まったので、

「出番じゃん!ガンバレ!」

と言ったのですが、

「死んじゃいけないって話しか出てこない。」

と述べていました。残念(>_<) まあ、早い子はもう思春期に入るし、もっと深刻な子がいるのかもしれませんね(^^;

 でもね、いじめられたとか、死にたいとかは、我慢で心は強くならないんだよ。いじめられてるって、それだけで自分が悪いことをしている気分になるでしょ。違うところで強くなって、現状と戦うしかないのです。まず、いじめる方は何倍も悪いと気付くこと。そして、戦い方としては、一緒に遊ばないとか、先生に被害届けを出すとか、学校休むとか。

 

 日本には『○○道』っていう習い事がたくさんありますが、何かを修得するために、まず心構えや気の持ちよう、立ち振舞いを習うのですね。私も小さい頃書道をやりましたが、字を書くためにまず座り方や筆の持ち方を習うのです。走り回る子はいませんでしたが、もしいたら、気持ちを落ち着ける所から練習するでしょう。

 道徳の時間も、まず、心を強くする方法をやってくれたらありがたいです。男の子の様子を聞くと、いじめる子は楽しいからいじめているようです。いかにも格下で人が良くて断れないやつを見ると、からかいたくて我慢できないのです。さらに他の子も真似します。

 いじめられっ子は、拒否する。いじめっ子は、楽しい誘惑に負けない。どちらでもない子は、笑っていないで止めてやる。どの立場の子も心が強くないと、いじめたいという本能には勝てません。

 もちろん、強い子もいるそうです。野球部の子は、大声で

「やめろよ!」

と止めに入って来るそうです。以前息子をからかっていて、先生に仲裁してもらって仲直りした子も、今は助けてくれるそうです。成長しました(^-^)

 

 毎年クラス替えの度に友達が変わって、毎年いじめられて戦いを余儀なくされる息子。息子に関わって、いじめたい誘惑と戦うお友達。一生続くのでしょうか。教育で何とかできたらいいのに!

 

 校長先生に話しかける機会があったので、道徳は何とかならないのかと聞いてみました。

 道徳は一通りいろいろやるはずだと言うことでした。いじめに関しては、担任は対応してくれているのかとも聞かれました。それはとてもよく対応してくれていますと答えておきました。校長先生は、いじめにも道徳にも興味無さそうな印象でした(^^;

 担任の先生は、どんないじめもけしからんと思っている方で、観察力も鋭く、面談の時もすでに被害に気付いていて、息子からどうやって被害状況を聞き出そうか考えていらっしゃいました。穏やかな先生ですが、息子がチクったときも、相手の子の誤魔化しを一切却下して、叱ってくれたそうです。本当によく見てます。

 でも、そう言うことじゃないんです。個人個人がどんな考えで生きたら世の中が最大にうまくいくのか、そう言う事を道徳で教えてほしいのです。どんな世の中を目指すかは、教育の理念そのものですね。どこかの王様の言葉みたいですね(^-^) そして、道徳の本に書くべき内容は、まともな宗教の教祖レベルの人が考えたら良いのです。校長先生や教育委員会の人で思い付く事でいじめに勝てるなら、大人の何とかハラスメントはあり得ません。

 

 道徳教材で、各々がどう振る舞って、どんな覚悟で生きていくのか、考える機会になると良いです。